臨床研究・事例研究
1人または数人の個人など少数の人々に焦点を当て臨床研究またはケーススタディ(事例研究)を行う。実際、一部の科学者は、キャリア全体を10〜20人の個人の研究に費やす。研究対象が少数の人々に注意を向けるとき、彼らはそれらのケースへの途方もない量の洞察を得ることができ、研究者は個人と研究されている特定の現象を非常に深く理解することができる。
事例研究は膨大な量の情報を提供するが、事例は非常に具体的であるため、学んだことを一般・平均的な人に適用する可能性は非常に限られている場合がある。
例) クリスタとタチアナが結合双生児であり、頭でつながっている。二人の少女は、主要な感覚リレーセンターである視床と呼ばれる脳の一部でつながっている。入ってくる感覚情報は、処理のために大脳皮質のより高い領域に到達する前に視床を通して送られるため、一方の双子の感覚がもう一方の双子に伝わる。クリスタが特に面白いテレビ番組を見ている場合、タチアナは番組を見ていなくても微笑んだり笑ったりする可能性があるということだ。時間が経つにつれて、クリスタとタチアナはいくつかの感覚的経験と運動制御を共有する一方で、彼女らは2つの異なる個人のままであることが分かった。
自然観察
観察者ができるだけ目立たないようにしつつ行う観察研究
人は自分が監視されていることを知っていると、予期しない方法で自らの行動を変え、自然に行動する可能性が低くなる。
例) スザンヌ・ファンガーはテキサス大学の同僚と協力して、遊び場で子供たちの行動を観察した。彼らは数人の子供たちにワイヤレスマイクを装備し（子供たちはその事実をすぐに忘れた）、遠くからメモを取りながら観察した。また、そのの子供たちは、遊び場にオブザーバーがいることに慣れていった。
自然観察の対象は人間に限られず、動物も対象になる。
自然観察の主な欠点は、設定と制御が難しい場合が多いことである。対象の行動を制御することはできず、多大な費用と時間が必要になる場合もある。
観察研究におけるもう1つの潜在的な問題は、観察者のバイアスだ。研究の目標や期待に合うように無意識のうちに観察を歪める可能性がある。この種の偏見から保護するために、研究者は記録された行動の種類とそれらの行動をどのように分類すべきかについて明確な基準を確立する必要がある。さらに、研究者は、評価者間の信頼性をテストするために、複数のオブザーバーによる同じイベントの観測を比較し一貫性を評価する。
調査
心理学者はデータを収集する手段として調査を行う。調査参加者が回答する質問のリストであり、紙と鉛筆の質問票として提供したり、電子的に管理したり、口頭で実施したりする。一般的に、調査自体は短時間で完了でき、調査の管理が容易なため、多数の人からデータを簡単に収集できる。
サンプル人口から選択され、人口は研究者が関心を持っている個人の全体的なグループを指す。
研究者はサンプルを研究し、調査結果を母集団に一般化しようとする。一般に研究者は、収集したデータから最頻値、中央値、平均値といった中心傾向の測定値を計算する。
短所としては関係者の数が多いため、ケーススタディで収集されるのと同じ深さの各人の情報を収集することはできない。また、人々は常に正確な回答をするわけではなく、嘘をついたり、覚えていなかったり、取り繕った返答をする可能性がある。
例) 140人の調査参加者が、さまざまな民族の人々に対する参加者の明白な偏見的な態度について直接尋ねる質問を含む10の質問で調査に回答した。調査の結果は、参加者がいかなる民族グループに対しても不利な態度を報告することを望まないことを示唆した。しかし、他の民族グループと比較して、アラブ系アメリカ人との社会的相互作用に関する質問への回答のパターンには有意差があり、彼らは他の民族グループと比較して、アラブ系アメリカ人との社会的相互作用に対する意欲が低いことを示した。これは、参加者がそうではなかったという彼らの主張にもかかわらず、アラブ系アメリカ人に対する微妙な形の偏見を抱いていることを示唆した。
アーカイブ研究
既存の記録を使用してさまざまな調査の質問に答え調査アプローチ。過去の記録またはデータセットを調べて、興味深いパターンまたは関係を探すこである。
アーカイブ研究を採用している研究者が研究参加者と直接対話する必要はなく、データを収集するためにかかる時間と費用は少ない。ただし研究者はどの情報が最初に収集されたかを制御することはできない。また、あるソースから別のソースへのレコード間の一貫性が保証されていないため、異なるデータセットの比較と対比が問題になる可能性がある。
縦断的・横断的研究
縦断研究とは人間の発達や寿命の研究のように、時間の経過とともに人々がどのように変化するかを見るため、同じグループの個人を長期間にわたって繰り返しテストすることである。たとえば、20歳での食生活について個人のグループを調査し、10年後に30歳で再テストし、次に40歳で再度テストする場合がある。研究対象者の環境の変化(結婚・引っ越し)などが大きな課題であり、また莫大な手間と費用が掛かることが予想される。
横断的研究とは研究者は同時に母集団の複数のセグメントを比する。研究者は年齢別にさまざまなグループの人々を直接比較する。人々のグループを20年間研究して、彼らの食生活が10年ごとにどのように変化したかを調べる代わりに、研究者は20歳の個人のグループを研究し、それらを30歳・40歳の個人のグループと比較する。年齢自体とは関係なく、さまざまな世代の社会的および文化的経験を反映したり、ジェネレーションギャップによっても制限される。
参考
Spielman, R., Dumper, K., Jenkins, W., Lacombe, A., Lovett, M. & Perlmutter, M. (2017). Psychology. OpenStax College, Rice University. Retrieved from https://my.uopeople.edu/pluginfile.php/1097682/mod_page/content/7/PSYCTextCh_1-4.pdf
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