1.4 POLC機能（計画 - 組織化 - 主導 - 管理)

 

 

 

管理の原則は、計画、編成、指導、および管理の4つの主要な機能（POLCフレームワーク）に長い間分類されてきた。しかしPOLC機能は理想的かもしれないが、実際の管理者の日常の行動を正確に描写していないという批判的な観察もある。

 

Planning(P)　計画

計画は、目標を設定し、それらの目標を達成するための行動方針を決定することを含む管理の機能である。

計画を立てるには、管理者が組織が直面している環境条件を認識し、将来の条件を予測する必要があり、マネージャーが優れた意思決定者である必要がある。

計画は、いくつかのステップで構成されるプロセスであり、環境スキャンenvironmental scanningから始まる。それは経済状況、競合他社、および顧客の観点から、組織が直面している重大な不測の事態に注意払うことである。その後、計画担当者は将来の状況を予測し、その予測は、計画の基礎を形成する。

 

計画担当者は

①何をいつ達成する必要があるかを示す目標を設定する

②目標を達成するための代替の行動方針を特定する

③目標を達成するための最善の行動方針について決定を下す

④必要な手順を策定し、計画を効果的に実施する。

⑤常に計画の成功を評価し、必要に応じて是正措置を講じる

 

戦略的計画Strategic planningには、競争の機会と脅威、および組織の長所と短所を分析し、環境内で効果的に競争するために組織をどのように位置付けるかを決定することが含まれる。戦略的計画には長い期間があり、多くの場合3年以上かかります。通常、組織全体が含まれ、目標の策定が含まれる。戦略的計画は、多くの場合組織の使命organization’s missionに基づいており、それが組織の存在の根本的な理由である。組織のトップマネジメントは、ほとんどの場合、戦略的計画を実施する。

戦術計画Tactical planningは、戦略計画を実施するための比較的具体的で具体的な手段を開発するように設計された中期間（1〜3年）の計画である。中間レベルのマネージャーがこの計画に従事する。

運用計画Operational planningは通常、組織全体またはサブユニットの目標と目的の存在を前提とし、それらを達成する方法を決定する。運用計画は、戦略的および戦術的計画をサポートする特定のアクションステップを開発するように設計された短期（1年未満）の計画です。

 

 

 

Organizinｇ(O)　組織化

組織化は、組織構造を開発し、目的の達成を確実にするために人的資源を割り当てることを含む管理の機能を指す。

組織の構造は、努力が調整されるフレームワークであり、組織図で表される。組織図は、組織内の指揮系統のグラフィック表現を提供する。組織の構造について下される決定は、一般に組織設計の決定organizational design decisionsと呼ばれ ます。

組織化には、組織内の個々の仕事の設計も含まれており、個々の仕事の義務と責任、および義務の遂行方法について決定を下す必要があります。組織内の仕事の性質について下される決定は、一般に仕事設計の決定job design decisionsと呼ばれる。

組織レベルでの組織化には、作業を効果的に調整するために、仕事をを部門・セクションに分割ことが含まれる。機能、製品、地域、または顧客ごとに整理するなど、部門化するにはさまざまな方法があるが、多くの大規模な組織では、複数の部門化方法を使用している。

特定の仕事のレベルで組織化するには、人的資源を最も効果的に使用するために個々の仕事を設計する最善の方法が含まれる。

人類は伝統的に、分業と専門化の原則principles of division of labor and specializationに基づき、仕事の内容が狭いほど、仕事をする個人がより熟練することができると考えられてきた。　　しかしそうなると個人に与えられる仕事が狭くなりすぎて専門化する可能性がある。そうなってしまうと、仕事の満足度と組織の貢献度は低下し、欠席主義の増加、離職率増加などのマイナスの結果が生じることが分かっている。

現在、多くの仕事は、エンパワーメント、仕事の充実、チームワークなどの原則に基づいて設計されており、労働者の専門化の必要性と、労働者が多様性と自律性を伴う仕事をする必要性との間のバランスをとろうと試みている。

 

Leading(L)　主導

主導する(リードする)ということは、他の人がとる行動を刺激するために使用する社会的および非公式の影響力の源になるという意味である。マネージャーが効果的なリーダーであれば、部下は組織の目標を達成するために熱心に努力する。

マネージャーは、リーダーとして効果的な人材になるためには、まず部下の性格、価値観、態度、感情を理解する必要がある。

モチベーションとモチベーション理論の研究は、労働者が生産的な努力をするためにエネルギーを与えられる方法についての重要な情報を提供している。

コミュニケーションの研究は、マネージャーが効果的かつ説得力のあるコミュニケーションを行う方法についての方向性を提供する。

リーダーシップとリーダーシップスタイルの研究は、「マネージャーを優れたリーダーにする理由」などの質問に関する情報を提供する。

 

 

Controlling(C)　制御

制御には、パフォーマンスが標準から逸脱しないようにすることが含まれる。

管理は、（1）パフォーマンス基準の確立establishing performance standards　（2）実際のパフォーマンスと基準の比較comparing actual performance against standards、（3）必要に応じた是正措置taking corrective action when necessaryの3つのステップで構成される。

 

 

パフォーマンスの測定The measurement of performance は、多くの場合、収益、コスト、利益などの金銭的な用語で示されるが、生産台数、欠陥製品の数、品質や顧客サービスのレベルなどの他の用語で示されることもある。財務諸表、販売レポート、生産結果、顧客満足度、正式なパフォーマンス評価などのパフォーマンス基準に応じて、いくつかの方法で実行できる。

この機能は、マネージャーが部下の性格、価値観、態度、または感情を制御または操作しようとする必要があることを意味するものではない。この管理機能は、部下の仕事関連の活動が組織および部門の目標の達成と一致し、それに貢献することを保証するために必要な行動をとる上で必要なマネージャーの役​​割である。

効果的な管理には計画の存在が必要であり、標準からの逸脱に対する責任がどこにあるのかを明確に理解する必要がある。

2つの従来の制御手法は、予算 budget とパフォーマンス監査performance auditsである。

監査auditには、記録と補足文書 supporting documentsの調査 examination と検証 verificationが含まれる。

予算監査budget audit　計画または予算の対象に関して組織がどこにあるかについての情報を提供する。

パフォーマンス監査performance audits　報告された数値が実際のパフォーマンスを反映しているかどうかを判断しようとする。

 

管理は財務基準の観点から考えられることがよくあるが、管理者は生産および運用プロセス、サービス提供の手順、会社のポリシーの遵守、計画、組織化、指導、および管理の管理機能は、管理者の仕事を説明するための最良の手段であると同時に、管理の研究に関する蓄積された知識を分類するための最良の方法であると広く考えられている。

 

 

 

 

復習

①POLCフレームワークを構成する管理機能は何か

Planning, Organizing, Leading, Controlling

 

②POLCフレームワークに対する批判

実際の管理者の日常の行動を正確に描写していない

 

③計画はどのような機能を果たすか

目標を設定し、それらの目標を達成するための行動方針を決定することを含む管理の機能

 

④組織化はどのような機能を果たすか

組織化は、組織構造を開発し、目的の達成を確実にするために人的資源を割り当てることを含む管理の機能を指す。個々の仕事の義務と責任、および義務の遂行方法について決定を下し、人的資源を最も効果的に使用するために個々の仕事を設計する。

 

⑤主導はどのような機能を果たすか

パフォーマンスが標準から逸脱しないようにする。

 

⑥制御はどのような機能を果たすか

効果的な管理には計画の存在が必要であり、標準からの逸脱に対する責任がどこにあるのかを明確に理解する必要がある。