3.6 価値観に基づくリーダーシップスキルの開発

 

 

 

 

マネージャーが直面する倫理課題

• 広告（製品やサービスを最高の形で宣伝したい）
• 原材料の調達（会社は、人々に過小な支払いをしている、または環境に損害を与えている可能性のあるサプライヤーからの購入）
• プライバシー（会社は、従業員が会社の時間に書き込む個人の電子メール、または勤務時間中にアクセスするWebサイトにアクセスできるか）
• 安全（従業員とコミュニティ）
• 賃金表（経営幹部の賃金と会社の他の部分との関係）
• 製品の価格設定ポリシー（変動価格設定、割引）
• コミュニケーション（株主とのコミュニケーション、工場閉鎖の発表など）

 

 

American Management Association　倫理の失効の主な理由

 

1. 非現実的なビジネス目標/期限を達成するためのプレッシャー。
2. 自分のキャリアをさらに伸ばしたいという願望。
3. 自分の生計を守りたいという願望。

 

独自の倫理規定を作成しても、経営陣が非倫理的に行動している場合、組織の社会環境がその規定を履行する上での障壁となる可能性がある。倫理よりも利益を優すると会社は潰れる。

 

 

2002年　サーベンス・オクスリー法

倫理規定を作成する

 

「倫理規定を、不正行為を阻止し、正直で倫理的な行動を促進するために合理的に必要な基準の体系化として定義する」

 

これには、実際のまたは明らかな利益相反の倫理的取り扱い、法律の遵守、規範を順守するための説明責任を求める。

 2008年後半の米国の金融危機は、他の分野、特に金融サービス業界でも、より厳しい規制と規制の精査が必要であると指摘し、それらの動きは2009年初頭に発効し始めた。

 

 

 

プロクター・アンド・ギャンブルの価値観と倫理規定Procter & Gamble’s Values and Code of Ethics

 

ビジネス行動規範を推進する5つの価値観

 

1.  誠実さIntegrity

私たちは常に正しいことをしようとします。

私たちはお互いに正直で率直です。

私たちは法律の文言と精神の範囲内で活動します。

私たちは、すべての行動と決定において、P＆Gの価値と原則を支持します。

私たちはデータベースに基づいており、リスクの認識を含め、提案を提唱することにおいて知的に正直です。

 

2.  勝利への情熱Passion for Winning

私たちは、最も重要なことを行うのに最善であると決意しています。

私たちは現状に健全な不満を持っています。

私たちは、市場で改善し、勝ちたいという切実な願望を持っています。

 

3. リーダーシップLeadership

私たちは皆、私たちの責任分野のリーダーであり、リーダーシップの結果をもたらすことに深いコミットメントを持っています。

私たちは、私たちがどこに向かっているのかについて明確なビジョンを持っています。

私たちは、リーダーシップの目標と戦略を達成するためにリソースを集中させます。

私たちは、戦略を実行し、組織の障壁を取り除く能力を開発します。

 

4.  信頼Trust

私たちは、P＆Gの同僚、顧客、消費者を尊重し、彼らを私たちが望むように扱います。

私たちはお互いの能力と意図に自信を持っています。

私たちは、信頼の基盤があるときに人々が最もよく働くと信じています。

 

5.  所有Ownership

私たちは、ビジネスニーズを満たし、システムを改善し、他の人がその有効性を改善するのを助けるために、個人的な説明責任を受け入れます。

私たちは皆、所有者のように行動し、会社の資産を私たち自身のものとして扱い、会社の長期的な成功を念頭に置いて行動します。

 

 

 

 

　管理における倫理の重要性

信頼は倫理的リーダーシップの基礎である。

倫理的リーダーは組織への信頼を築く。マネージャーが下す決定は、彼らの倫理の指標になる。

倫理的な行動は、顧客やサプライヤーの信頼も獲得し、国民の好感を得る。

 

倫理を経営上の意思決定に統合する

倫理とは、明確な決定ルールが利用できない場合にも意思決定ルールを選択すること。2つのサプライヤから選択する場合、最も安いもの（決定ルール1）と最も高い品質（決定ルール2）のどちらを選択するか。

 

倫理的な意思決定プロセスのステップ

 

①状況を評価する

何をするように求められているのか？違法か？非倫理的か？誰が危害を受ける可能性があるか？

 

②利害関係者を特定し、彼らの視点から状況を検討する

会社の従業員、経営陣、株主、顧客、サプライヤー、およびコミュニティの視点をから。

 

③利用可能な代替案と、それらが利害関係者にどのように影響するかを検討する

結果

義務、権利、および原則

個人の誠実さと性格への影響

 

④その行動は自分自身がどう感じるか？

あなたの行動が明日ウォールストリートジャーナル（またはあなたの日刊紙）に報告されたらどう感じるか？行動を自分の母親や10歳の子供にどのように説明するか？

 

⑤決定する

これには、上司または中立的な第三者（オンブズマンや倫理委員会など）に行くことが含まれる。あなたの価値観と限界を知る必要がある。会社が状況を是正するために何もしなかった場合、あなたは会社のために働き続けるか、やめるか。

 

⑥結果を監視する

決定はどのようにうまくいったか？関係者全員にとってどうだったか？もう一度やり直す必要があるとしたら、どうするか。

 

 

 

他人に非倫理的な行動を見た場合は、早い段階でそれに立ち向かう方がよい。

早い段階で、あなたは（非難するのではなく）事実を見つける方法でその人と話す機会が多くなる。議論は問題のエスカレートするのを防ぐかもしれない。怒らせたくないので沈黙を保つことは後ではるかに大きな問題につながる。フランスの劇作家ジャン・バプティスト・モリエールが書いたように、「私たちが責任を負うのは、私たちが行うことだけでなく、私たちが行わないことでもある。」

 

 

管理には意思決定が含まれ、意思決定には倫理的な要素が含まれることがよくある。

 

個人の倫理や道徳的規範を超えて、マネージャーは会社全体を反映した意思決定に直面し、会社の将来の成功と活力に影響を与える。

 

倫理とは、法律に従うだけでなく、基本的な価値観に従って行動することを意味する。