3.4 脊髄 Spinal Cord

 

脊髄Spinal Cord

脊髄は脳と外界をつなぐものである。脳は行動し、脊髄は中継局のようなものである。脳との間でメッセージを伝達するだけでなく、反射神経と呼ばれる独自の自動プロセスシステムも備えている。

脊髄の上部は脳幹と融合する神経の束であり、呼吸や消化などの生命の基本的なプロセスを制御している。そして脊髄は肋骨のすぐ下で終わる。

脊髄は、椎骨に対応する30のセグメントで機能的に編成されている。各セグメントは、末梢神経系を介して体の特定の部分に接続されている。神経は各椎骨で脊椎から分岐する。

 

 

 

脊髄反射 spinal reflexesは体が非常に速く反応することを可能にし、生存に欠かせない機能である。

一部の感覚メッセージsensory messagesは、脳からの信号に、脊髄によって即座に伝達される。熱いものから体を離す反応と膝ジャークknee jerk はその例である。

感覚メッセージが特定のパラメータを満たすと、脊髄は自動反射する。信号は感覚神経から単純な処理センターに渡され、そこで運動コマンドが開始される。メッセージが頭に浮かんだり、処理されたり、返送されたりする必要がないため、時間が節約される。

脊髄は骨のある椎骨vertebraeで保護されており、脳脊髄液cerebrospinal fluidで緩衝されているが、損傷するケースもあり、特定の部分で脊髄が損傷すると、下の部分がすべて脳から切り離され、麻痺が生じる。

 

 

神経可塑性 Neuroplasticity

乗っていた車の横で爆弾が爆発し、外傷性脳損傷を負う。記憶と言語の問題を含む多くの認知障害が生じる。しかし患者は時間の経過とともに、集中的な量の認知および言語療法の助けを借りて、驚異的な回復を見せた。この回復を可能にした要因の1つは神経可塑性neuroplasticityである。

神経可塑性とは、神経系が変化し適応すること。

新しいシナプスの作成、使用されなくなったシナプスの刈り込み、グリア細胞の変化、さらには新しいニューロンの誕生が含まれる可能性がある。神経可塑性のために、脳は絶えず変化し、順応していく。高齢者にも神経可塑性はある。